口腔ケアにも種類がある!器質的口腔ケアと機能的口腔ケアとは?

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口腔ケアはただ口の中のケアを歯磨き以上に丁寧にするだけではありません。実は口腔ケアにも種類があって、2つに分けることができます。

それが、器質的口腔ケアと機能的口腔ケアになります。器質的や機能的と言われても具体的にはケアの方法にどんな違いがあるのかわからないという人が多いでしょう。

そこで、さっそく器質的口腔ケアと機能的口腔ケアについて、それぞれどのような特徴があるのかまとめていきたいと思います。

器質的口腔ケアとは?

20161115-1まずは器質的口腔ケアの解説についてです。

器質的口腔ケアの目的は、口の中を掃除してきれいに保つことにあります。そのため、以下のような校内をきれいに保つためのケアが器質的口腔ケアに当てはまります。

歯磨きなどのお口のケアを行う

器質的口腔ケアには口の中の掃除全般が当てはまるので、歯磨きだけで終わりではありません。

いつもの歯ブラシで歯を磨くのにプラス舌磨きや頬の内側、歯茎、歯の裏側など口の中全体をきれいに掃除します。

口の中をきれいに掃除しておくと虫歯や歯周病の予防ができ、仮に虫歯などになっていても早く気づくことができます。器質的口腔ケアは人それぞれ口の中の状態が違うので、以下のように分けてケアを行うと便利です。

1.歯がある場合

歯ブラシでの歯磨き、歯間ブラシや糸ようじ、フロス使って歯間をきれいに掃除する。歯ブラシの際にはフッ素入りの歯磨き粉を使うとより効果的

2.義歯がある場合

義歯用ブラシで丁寧に細かく磨くようにする。義歯洗浄剤によって汚れをきれいに落とすことも可能。普通の歯磨きとは違う道具を使う点が特徴。

3.歯がない場合

舌ブラシや粘膜用ブラシで舌や粘膜をきれいに掃除する。最後はうがいを丁寧に行うことで汚れが除去できる。

口腔ケアを行うにあたっては、まず口の中の歯の状態などをチェックする必要があるのですね。

歯科での治療

器質的口腔ケアには歯科での治療も含まれます。口腔ケアは自分で口の中全体をきれいに掃除するだけでは100%完了したことになりません。

そこで、最終的には歯科での治療も受けましょう。歯科での治療も口腔ケアに当てはまります。

歯科では自分で行った口腔ケアに加えて歯石や歯垢をきれいに除去し、歯周病や虫歯、歯肉炎などを発見し、治療を行ってくれます。器質的口腔ケアの仕上げには、歯科での治療も含めるようにしましょう。

口内ケアは誤嚥性肺炎や呼吸器感染症の予防につながる

器質的口腔ケアには誤嚥性肺炎や呼吸器感染症の予防も期待できます。

口の中をきれいに掃除しておくと食べかすが詰まるのを予防できます。誤嚥性肺炎は特に高齢者に多い病気の1つであり、自分で口のケアができない人はそれだけ誤嚥性肺炎になりやすくなります。そんな時も人の力を借りて器質的口腔ケアをしておくと、誤嚥性肺炎になるリスクが低くなります。

器質的口腔ケアは誤嚥性肺炎だけでなく、呼吸器感染症の予防にもつながります。呼吸器感染症には風邪やインフルエンザ、肺炎、気管支炎、咽頭炎などが挙げられます。気道や呼吸器において発症する症状なので、上のような病気があります。

健康で若い人でもかかりやすい病気ですが、高齢者になるとますます発症する確率は高まります。そしてただの風邪でも悪化すると、肺炎などへ進んでしまうこともあります。そのような呼吸器感染症を、器質的口腔ケアをしておくことで予防ができるのです。

 

機能的口腔ケアとは?

161115-3器質的口腔ケアの次は機能的口腔ケアについてです。

機能的口腔ケアの目的は口の機能を回復させて、維持や向上をするためのケアです。器質的口腔ケアよりさらに広い意味での口腔ケアになります。

笑う、食べる、話すといった機能を向上させるために必要な口腔ケアが機能的口腔ケアになります。

歯科疾患の予防

口腔ケアをしていると早くに歯の異常に気づくことができます。口腔ケアをしないと歯に異変があってもそのままになり悪化してしまいます。歯科疾患をいくつも抱えていると、食べることも苦痛になります。

歯に染みる、噛むと痛いといった症状を抱えている中で快適に食事をすることはできません。口は常に動かす部位にもなるので、不快感があると楽しく過ごすことができません。そのためにも機能的口腔ケアに歯科疾患の予防が当てはまるのです。

歯科疾患を予防しておくと毎日快適に過ごせるようになるので、口腔ケアにおける機能的口腔ケアも大切になってきます。

認知症の予防

機能的口腔ケアは口のリハビリテーション的な機能も持っています。ここから、高齢者にとっては認知症の予防もできます。認知症は今発症する人も多く、高齢者とまではいかない年代の人でも発症しています。

口腔ケアをしておくと認知症の予防ができるのは、自分の歯をしっかり維持していると食事の際に噛むことができ、これが脳に良い刺激を与えるからです。実際に入れ歯が多い人と少ない人を比較すると認知症のリスクも大きく違うと言われています。その差は1.5倍にもなるといいます。

しっかり自分の力で噛むことができると脳に酸素と栄養が行き渡ります。ここからも脳の機能低下を予防でき、認知症になりにくくなると考えられています。

機能的口腔ケアをきちんと行っているといつまでもきれいで健康的な歯を維持できます。ここから認知症の予防もできるのです。

口腔全体を鍛えるケア

機能的口腔ケアの中で最後に挙げるのが、この口腔全体を鍛えるケアです。口腔全体とは口の周りの筋肉から頬や舌まで幅広く鍛えるケアを指しています。

口腔全体を鍛えるケアをしておくと唾液の分泌が促進されます。唾液がしっかりあると細菌も流してくれますし、口臭の予防にもつながります。口腔全体を意識して鍛えることでより快適に過ごせるようにもなります。

唾液の分泌の促進は噛む力や発音などにも影響を与えるので、機能的口腔ケアにこの口腔全体を鍛えるケアが含まれています。

ケアの具体的な方法には、舌体操や顔面体操、唾液腺マッサージなどがあります。どれも簡単にできる体操で、毎日続けていると口腔を鍛えられます。

機能的口腔ケアは器質的口腔ケアよりもより幅広い意味でのお口のケアになります。口腔ケアには器質的口腔ケアも機能的口腔ケアも、どちらも欠かすことができません。

まとめ

まとめ器質的口腔ケアと機能的口腔ケアについて見てきましたが、最後にもう一度それぞれの特徴を並べておきましょう。

器質的口腔ケア・・・歯磨きや歯間ブラシなどの道具を使って口全体をきれいに掃除するケア。ここから、誤嚥性肺炎や呼吸器感染症の予防ができる。最後には歯科での治療も受けるとより完璧なケアにつながる。

機能的口腔ケア・・・歯科疾患の予防、認知症の予防、口腔全体を鍛えることができる。楽しく快適に生きるために口腔全体を健康的にするためのケアが機能的口腔ケア。

理想的な口腔ケアは器質的口腔ケアと機能的口腔ケアの両方がきちんとできている状態です。特に高齢者は自分で口腔ケアをするのが難しくなります。介護者がきちんと口腔ケアの大切性を知って正しく行うことで、自分で口腔ケアができない高齢者もより快適に過ごせるようになるでしょう。

口腔ケアにも種類があり、きちんと網羅しておくことが重要です。