コーヒーは加齢臭に効果があるのか悪化させるのか?

40歳頃から気になり始める加齢臭。加齢臭をできるだけ少なくしたいと努力している人も多いでしょう。

加齢臭の原因物質になるノネラールの生成原料となる過酸化脂質やパルミトレイン酸は、体の活性酸素が多くなるとたくさん供給されるようになります。

つまり、活性酸素を抑制することが加齢臭を抑えることにつながるのですが、コーヒーに関しては加齢臭の原因になるという説もあります。一体どういうことなのでしょうか。

加齢臭とコーヒーは関係している?

コーヒーは香ばしい臭い(香り)が精神的なリラックスにつながり、また、コーヒー・カスには脱臭効果もあることから、加齢臭の予防にもさぞかし効果があるのだろうと愛飲している人もいるのではないでしょうか。

一方で、珈琲を飲んだ後は口が渇いて唾液の分泌も抑制されることから、口臭がひどくなることも知られています。加齢臭とともに口臭がプラスされれば、不快感が増すことになり、余り飲まない方が良いことになります。

活性酸素を抑制するには抗酸化物質が良いとされます。抗酸化作用の高い野菜などをたくさん摂取しましょうと、いろんなところでいわれます。コーヒーはカフェインが注目されますが、実はポリフェノールもたくさん含んでいます。100g当たりの含有量で比較すると、赤ワインと同じくらいなのです。

コーヒーポリフェノールはクロロゲン酸という物質が多く含まれています。クロロゲン酸は肝臓に作用して脂肪肝の予防に役立つことも知られており、肝機能が低下することによるアセトアルデヒドの蓄積を防ぎます。アセトアルデヒドは加齢臭ではありませんが、きつい体臭となって排出されるので、不快感を与えます。

加齢臭についても、活性酸素によってつくられる過酸化脂質が少なくなるので、ノネラールの生成が減り、抑えることができます。

これだけで考えると、コーヒーは活性酸素を抑制するので、加齢臭には良い効果があるといえます。それなのにコーヒーは加齢臭には悪い影響があるといわれるのはなぜでしょう。

この理由はカフェインにあります。一部にはカフェインに酸化作用があるという誤った情報もありますが、これは間違いです。カフェインには交感神経を刺激する作用があり、それが原因で臭いがきつくなることがあるのです。

コーヒーに含まれるカフェインが体を酸化させる?

コーヒーが加齢臭をはじめとする体臭に悪い影響を及ぼすのは、カフェインによって体内の脂肪が酸化されるのを促進するからではありません。

カフェインは自律神経を刺激し、興奮状態を作り出します。眠気を覚ますのもこの影響です。この状態は睡眠不足にもつながり、長く続くと自律神経のバランスが崩れて、活性酸素が増えてしまいます。それが原因で加齢臭が増えることにつながってしまうのです。

さらに、コーヒーは口臭の軽減になるといいますが、これも珈琲を飲み過ぎることで、口臭自体を増幅させることもあります。カフェインの影響で交感神経が優位に働くと、唾液は抑制されてしまいます。唾液は口の中を酸性に保ち、菌が繁殖しにくい状態にしますが、唾液が少ない状態では、口の中の食べかすを餌にして細菌が繁殖し、それが口臭の原因となってしまうのです。加齢臭とともに口臭もひどくなると、周りからいやがられるのは当然ともいえます。

コーヒーが加齢臭をひどくするといわれる原因として、胃腸に対して刺激が強すぎることがあります。特に空腹時に飲用すると胃腸の働きを弱める結果となり、消化不良となった食べ物が異常発酵して腐敗の状態になってしまいます。これがアセトアルデヒドの増加につながり、加齢臭に加えて臭いをきつくするのです。

コーヒーに入れるミルクや砂糖の油分で加齢臭が悪化する?

コーヒーは抗酸化作用によって、ノネラールの生成を抑制する役割がある一方、カフェインの影響で加齢臭などがひどくなるという両面を持っています。とはいえ、コーヒーが加齢臭などに影響を及ぼすのはあくまでも飲み過ぎた場合のことで、濃さにもよりますが、毎日1~2杯程度の飲用では副作用は少ないといえます。

また、朝の空腹時にブラックコーヒーを飲むなど、胃腸に刺激となりすぎる飲み方をしないことでデメリットを最小限に抑えることができます。

刺激を与えないという意味では、ミルクや砂糖を加えて飲むと良いと思う人がいるかもしれませんが、砂糖は胃に負担がかかるため、あまりおすすめではありません。ミルクは、胃の粘膜を保護し、刺激成分を包みこむので、刺激を和らげる効果は確かにありそうです。

ただ、乳脂肪は過剰に摂取すると腸内環境を悪くし、体臭の原因にもつながります。しかし、これも過剰に飲む場合で、毎回コーヒーに砂糖やミルクをたくさん入れるのでなければ、問題はありません。

ブラックコーヒーで油分を極力摂取しない

最近はコンビニでも入れたてのコーヒーが手軽に買えるようになってきました。それでも缶コーヒーやペットボトルのコーヒーは、お出かけに持って行くのに手軽で人気があります。しかし、自分で入れる珈琲とは異なり、この缶コーヒーは気をつけないといけません。

例えば、缶コーヒーのサントリー「ボス・レインボー」であれば、100g当たり 脂質は 0.5g、炭水化物は 6.9g、エネルギーは35kcalあります。厚生労働省の推奨するガイドラインは、炭水化物で1日203g~243gとなっているので、炭水化物は結構多いことがわかります。脂質についても、おおよそ50歳の女性では、約43~54gが適量とされています(年齢や性別によって量は異なります)から、缶コーヒーの脂質量も多いことがわかります。

過剰な脂肪は、ノネラールを増加させる原因になるので、缶コーヒーの飲み過ぎは加齢臭の増加に寄与するといえます。それ以前に、砂糖分も多いので、健康にも良くないのはいうまでもありません。

便利ではありますが、缶コーヒーやペットボトルのコーヒーは避けるか、あえて飲むならブラックにするかにして、加齢臭の予防に役立てましょう。携帯用のステンレスポットに自分で入れた珈琲を入れておくと、熱いまま(冷たいまま)の状態を保持できて、しかも飲みやすいので良いでしょう。

まとめ

コーヒーは加齢臭に関係があるという話がありますが、結論からいうと、コーヒーが臭い物質の酸化を促進し、加齢臭を増加させるという関係性はありません。むしろコーヒーに含まれるポリフェノール(クロロゲン酸)は、最近注目の抗酸化物質で、活性酸素の量を減らし、加齢臭を抑制する方向に効果が期待できます。

しかしながら、コーヒーに含まれるカフェインは、交感神経を刺激し、不眠症などを引き起こすデメリットがあります。不規則な生活はストレスとなり、加齢臭を誘発する原因になります。

加齢臭だけでなく、適量なら予防できるとされる口臭も、たくさん飲みすぎると唾液分泌が抑制されて口腔内の細菌を繁殖させ、口臭を悪化させることにもなります。

他にも、空腹時のコーヒーは胃腸に刺激を与えすぎ、腸内環境を乱して悪玉細菌を増やし、そこから出るアセトアルデヒドによる不快な体臭を発生させる原因になる場合があります。加齢臭に加えてこれらの臭いが混ざることで、珈琲を飲み過ぎることは臭いをひどくさせるのです。

加齢臭やコーヒーの飲み過ぎによる臭いの増加を防ぐには、空腹時に飲むことは避けること、砂糖や乳脂肪分の多い缶コーヒーは避けるといった工夫でかなり減らすことができます。

なお、コーヒーを1日に1~2杯程度の飲用では全く問題がないので、それほど神経質になる必要がないことも付け加えておきましょう。