知っていますか?加齢臭のメカニズム

「加齢臭」。なんとも気持ちの良くない響きです。

会社では何となく避けているように感じられ、満員電車ではイヤな顔をされると、「もしや自分にも加齢臭が?」と不安になります。

しかし、気分が沈んだままでは生きていけません。加齢臭も正しい対策をすればずいぶんと抑えることができます。それには、どうして加齢臭が起きるのか、正しい知識を得ておくことが大事です。

当ページでは加齢臭のメカニズムについてご紹介したいと思います。

加齢臭のメカニズムって何?

加齢臭とは、そもそもどのようなニオイなのでしょうか。

加齢臭を他のニオイに例えると、古いタンスや雑誌、ブルーチーズ、押入れの中の臭いなど様々な表現がされます。抽象的ですが、おおよそ脂臭くて青臭い臭いというのが、加齢臭のニオイです。これはノネナールという物質のニオイです。

では、ノネナールがどうして発生するかですが、順を追って説明していきましょう。

  1. 体内にたまった脂肪分や老廃物が汗とともに皮膚表面に出てくる
  2. 肌表面では皮脂腺から分泌されるパルミトオレイン酸が過酸化脂質と結合し、ノネラールが生成される(酸化反応)

食事などで体内に入った糖分や脂肪分は、人間が活動する上で重要な栄養素です。ところが、カロリーオーバーなどで栄養分が余ってくると、いったん肝臓でグリコーゲンとして蓄積されます。それでも余った分は、尿や汗となって体外に排出されます。

さらに、体内でも酸化反応によって活性酸素が活性化し、細胞の老化を招きます。その結果、老廃物も多く生成されて、体外に排出されることになります。

脂肪分が肌表面に出ると、活性酸素の影響を受けて過酸化脂質となり、皮脂腺から分泌されるパルミトオレイン酸と結合してノネラールが生成されます。

加齢臭は40歳以上になると増える(きつくなる)と思われますが、食生活の乱れなどがおきやすい生活をしていると、30代でも起きる可能性はあります。また、男女の性別は余り変わらず、女性にも加齢臭は起きてきます。

40歳代以上に加齢臭が多くなる原因としては、酸化反応が起きやすくなること、脂肪がなかなか燃焼されなくなり、体内に蓄積されていくことがあげられます。こればかりはどうしようもない現象で、年齢とともに増えていく加齢臭を完全になくしてしまうことはできません。

一般的には、加齢臭に加えて皮脂や体内から出る老廃物と雑菌が混ざり合って、独特の腐敗臭のようなニオイになり、不快感が増してくるのです。

40歳頃から目立つ加齢臭

40歳代から気になる加齢臭といわれますが、自分ではどうしてもわかりにくいものです。というのも、人間の臭覚は慣れるとそのニオイに鈍感になるため、いつも近くにある自分のニオイは気付きにくいのです。それで、一体周りの人はどう感じているのだろうと不安になる人が多くいます。

ここに、興味深いアンケート調査があります。男性向け総合雑誌を発行しているダイアモンド社が行った調査の中からいくつか紹介しましょう。

これによると、40歳代の男性67%が「自分の体臭が気になる」と回答し、その中で86%の人が加齢臭と思っているという結果が出ています。しかし、詳しく聞いてみると、「すえた汗のニオイ」(49.3%)、「使い古した油のようなニオイ」(32.8%)と、加齢臭とは異なるニオイをあげる人が大半でした。つまり、40歳代では、実際に加齢臭がしているというよりも、他のニオイである可能性が高いのです。

加齢臭って年齢で異なるの?

40歳代から気になり始める加齢臭。しかし、若くても、女性でも起きる可能性があると指摘されています。大雑把に分類すれば、30歳代でも、極端に言えば20歳代でも加齢臭は発生する可能性があります。

しかし、この加齢臭は40歳代以上で起き始める加齢臭とは少し異なり、もうちょっと油臭いニオイで、「ミドル脂臭」といわれているものです。

体内の老廃物である乳酸が汗に混じって肌表面に排出され、肌表面に付着しているブドウ球菌がその老廃物を分解する時に、ジアセチルが発生し、それが臭いの原因となります。

このニオイは男性に特有のもので、頭部周辺や、首の後ろから臭いが発生します。

頭皮や首のまわりがべたついた感じになります。

ミドル脂臭を抑えるためには、清潔にしておくことが一番の対策になります。耳の後ろや頭皮などはしっかり洗うようにしましょう。ただし、皮脂も肌を守るためには必要な成分なので、皮脂の取り過ぎはダメです。石鹸やシャンプーを肌に優しいものに変更し、髪の毛は手早く乾かして蒸れる状態にしないなど、ケアを丁寧にしてあげることもポイントです。

体臭と加齢臭は違うの?

加齢臭は年齢とともに出てくるものですが、体から放たれるニオイはたくさんあります。

  • 口臭
  • フェロモン(ワキガなど)
  • 足の蒸れ
  • 汗臭さ

他にもあると思いますが、中には病気の可能性があるものもあります。ストレスや生活習慣の乱れからくるものもあります。まずはこれらの原因がないか考え、改善していくことで、病気の早期発見・治療に取り組めることもできます。

過度に忙しい生活をしていることもないのに、体から変なニオイがする場合には、念のために内科病院などを受診してみることをお勧めします。

このように、体臭は年齢に関係なく(フェロモン系のニオイを除く)起きる現象で、ニオイの起きる原因も様々です。加齢臭の方はノネナールという物質が原因で起きる現象で、体の代謝が悪くなり、酸化が進むなかで起きる現象です。

40歳を過ぎて加齢臭が気になり始めた人の中には、それ以外の体臭を加齢臭と勘違いしている人もいます。周りの人やインターネットでの情報もそれに近いものも散見されます。それぞれに原因が違うわけですから、対策も違ってきます。特に病気の場合は根本的な病気を治療しないと体臭が消えることがないので、十分注意しましょう。

一方で、加齢臭を抑える対策は、ダイエットや成人病予防につながるものもたくさんあります。全く加齢臭が出ないようにするのは無理ですが、加齢臭を抑える対策で、健康になれることは間違いありません。

まとめ

加齢臭は40歳を過ぎると出てくる独特のニオイです。基本的に汗にはニオイがないのですが、汗に混じってくる脂肪分が肌表面で過酸化脂質となり、皮脂腺から分泌されるパルミトオレイン酸と結合してノネラールというニオイ物質になることが原因です。

最近はニオイに敏感な社会になり、生活の多くのシーンで消臭剤や芳香剤が使われるようになってきました。加齢臭もそのような風潮の中で注目されてきたようにも思えます。従ってこの年齢に近い人は過度に反応し、「自分も加齢臭がひどいのではないか」と心配しすぎる傾向にあります。

ところが、今、加齢臭と思っているものの中には、他に原因がある体臭がニオイの原因であることも多く、正しい知識を持って対策を講じないとニオイがなくならないことになってしまいます。また、病気が原因で体臭がひどくなっていることもあるので、その原因が本当に加齢臭なのか疑ってみる必要はあります。

一方、ストレスは体に悪い影響を与え、加齢臭だけでなく、他の体臭にも影響を与えることがあります。過度な心配はかえってニオイをひどくさせるだけです。ニオイは、体を清潔に保つ、健康を維持するような生活習慣や食事を心がけることで、ずいぶん減らすことができます。それは加齢臭だけでなく、多くの体臭にもいえることです。

加齢臭については、正しい知識を身につけて、過度に敏感にならず、間違った対処はしないよう気をつけたいものです。