緊張で汗を大量にかく精神性発汗の対策法とは?

緊張するとドキドキと心臓の鼓動が高まり、額から汗が流れ出る…。ビジネスやデート、就活面接やアクション映画を見ているときなど人生の中でいろいろな緊張感のある場面に出会います。

しかしその汗が尋常でないほど溢れ出てしまう病気を「精神性発汗」と言います。

汗をかくにもいくつかの原因がありますが、その中でもやっかいなものが精神性発汗です。今回は「精神性発汗」の原因とその対策方法を解説したいと思います。

緊張性の精神性発汗って何?

生命を維持するために体温の調節をするのが汗本来の役割ですが、精神性発汗は体温調節とは関係なく、強いストレスや極度の緊張、不安などの精神的・心理的な問題によって起こります。

一般には「冷や汗」や「脂汗」なんて呼ばれています。精神性発汗自体はごくありふれた現象で誰にでも起こります。しかし、人によっては過剰な汗が出る多汗症になってしまうと日常生活に支障をきたします。

精神性発汗が起こる場合

ストレスを感じた時

上司に怒られたり、待ち合わせ時間に間に合わないかもしれないなど心に余裕がなくなったりした時など

緊張している時

大事なプレゼン前や彼女の親に挨拶をする時など

恥ずかしい時

静かなエレベーターの中でオナラをしてしまった時やスクランブル交差点の真ん中でこけた時など

不安を感じる時

家族がいつまでたっても帰ってこない時や知らない土地で迷子になった時など

興奮している時

ジェットコースターに乗っている時や街中で大好きな芸能人に出くわした時など

この他にも「びっくりした時」や「痛みを感じた時」にも精神性発汗は起こります。また、場所は手のひらや足の裏、わきの下や額などから発汗しますが特に手のひらや足のうらが多いと言われています。

精神性発汗が厄介なのは一度発症するとその汗を「止めよう、止めよう」と思えば思うほど汗が吹き出すという悪循環に陥ってしまうことです。

精神性発汗はちょっとの違いを気にする神経質な人や細かいところまできっちりしないと気が済まない几帳面な人、完璧主義者や気の優しい人、気を使いすぎる人や繊細な人が発症しやすいと言われています。

ちょっとのことは気にしない、あるいは心臓に毛が生えているようなタイプは精神性発汗とは無縁です。

また、精神性発汗をワキガと勘違いする人も多くいますが、精神性発汗とワキガは全く別物です。汗が出てくる腺は「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があり、ワキガの汗はアポクリン腺から、精神性発汗はエクリン腺から出ます。

また、臭いもワキガと異なり、精神性発汗の汗はそんなに臭うことはありません。

緊張すると汗が出やすくなる?

緊張して脇の下や背中に汗をかいてしまった経験は誰でも一度はあると思いますが、緊張と汗は切っても切れない関係です。その理由は緊張することで自律神経の交感神経が活発になるからだと考えられています。

自律神経には、「交換神経」と「副交感神経」がありますが、緊張やストレスを感じると血圧や心拍数が増加し発汗が促されます。交感神経は、その昔まだ人間が野生に暮らしていた頃、外敵からの襲撃を察知した時に、心肺機能を高めすぐに行動が出来るように身体を守るために機能なのです。

緊張が解けると交感神経の働きが落ち着いて発汗も収まります。

精神性発汗でうつ病になる?

「病は気から」ということわざもあるように精神性発汗は重度化すると大変な病気の引き金になる可能性もあります。

仕事の会議中に何もしていないのに汗が止まらない、トイレで上司とすれ違っただけで汗が吹き出るなどほんの少しのストレスで多汗症になることだって考えられます。早め早めの対策を講じて胃潰瘍やうつ病を発症するなんてことのないようにしましょう。

精神性発汗と自律神経の関係

精神性発汗は精神病の一種とされていて、重度化すると心療内科の受診を勧められることがあります。通常、自律神経の交感神経・副交感神経の切り替えは無意識の内に行われるのが正常ですが、それがうまくできなくなってしまうのです。

治したくても治らない病気で難病指定されています。個人レベルではどうしようもなくなってしまった場合は、自律神経失調症の専門医に通い長期的に治療をした方が良いケースもあります。

開き直りで汗をコントロールできるの?

精神性発汗の治療法にはどんなものがあるのでしょうか。病気の原因は精神的なものですから心の不安がなくなれば解決することができます。ところが逆に精神的な問題だからこそなかなか治らないとも言えます。

自宅でできる対策

自宅で簡単にできる対策にはどんなものがあるでしょうか?まず、会議でのプレゼンや発表会などで緊張しないように心にゆとりを持つためには準備やリハーサルを徹底的に行うことです。

練習を行えば行うほど本番がうまくできるばかりか、自分の自信にもつながります。とりあえずは汗をかかないようにするための努力をしてみましょう。

次に、汗をかくことはもう仕方がない場合、それを周りに察知されるとさらに汗が噴き出してくるという悪循環を防ぐため、脇汗パッドを何重にも重ねたり、肌着を何枚も着たりと徹底的に汗シミが起きないようにするというのも一つの手です。汗シミに関する心配は皆無だと思えるだけで精神的にゆとりができるでしょう。

最後に、市販されているデオドラントグッズ(制汗剤)を利用するのもいいでしょう。手や脇の下に塩化アルミニウム水溶液を含むオドレミンやテノール液などを塗ると汗を抑えることができる可能性があります。

1つ目2つ目の方法と合わせて行えば相乗効果が期待できるかもしれません。

自分ではどうしようもないと感じたら

自分だけの対策ではどうしようもないと感じたら、一人で悩むことはせずに病院で医師に相談した方が解決するかもしれません。何科を受診したらよいかということですが、まずは皮膚科を受診しましょう。

そして、多汗症が体質によるアレルギーなどではないかを調べてもらいます。皮膚科では市販されていない塩化アルミニウム液による汗の抑制(オドレミンなどの市販品よりも強力なもの)などを処方してもらえるかもしれません。

特に体質に関する問題ではない、制汗剤では効果が薄いという場合は心療内科・精神科を受診します。長期的な通院になるかもしれませんが、毎日汗に怯えながら暮らすくらいであれば、受診した方がいいでしょう。

心療内科では精神的な不安を解消するためカウンセリングや自律神経を整える訓練、精神安定剤での薬物療法などが行われることがあります。抗コリン剤(プロ・バンサイン)は発汗を抑制する働きがありますが、喉の渇き、目の渇き、などの副作用があり、使用する場合は医師との相談が必須です。

心療内科でも解決しない場合は形成外科で手術をするという手段もあります。中でも多汗症を専門に扱う病院を探しましょう。治療法はボトックス注射によって手のひらや足のうら、脇の下の神経の麻痺させる方法や神経ブロック、剪除法などがあります。

発汗量が軽いのであれば心の持ちようで改善するかもしれませんが深刻な場合は医師に相談するのもいいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。精神性多汗症の原因と対策法がご理解いただけたかと思います。汗の量に困っている人はとりあえず、自分でできる対策法をいろいろ試してダメなら思い切って医療機関を受診してみましょう。

汗なんかに悩んでうつむきながら人生を過ごすなんてもったいないですからね!