加齢臭は皮脂だけがノネナールの原因ではない!総合対策で防ぐ

中年男性のニオイの原因はノネラールです。ノネラールは肌表面で生成されますが、人によってその発生量には差があります。中年であっても加齢臭がしにくい人もいます。また、女性でも比較的ニオイのきつい人はいます。この差はどこから出てくるのでしょうか。

ノネラールの生成には、皮脂が関係しています。皮脂は肌を守るのには必要な成分で、皮脂の取り過ぎがシワの原因になると化粧品のCMで流されています。ちょうどよい皮脂の量というのは難しいですが、日頃のケアをちょっと気をつけるだけで、加齢臭も防ぎ、肌も美しく維持することができます。

加齢臭の原因物質、ノネナールってなに?

ノネラールは体内から汗とともに排出される過酸化脂質と、皮脂腺から排出されるパルミトレイン酸が酸化反応してできる物質です。ノネラールは青臭いニオイがするとよく言われますが、蕎麦のほのかな香り(ヘキサノール)や、時間が経過し、劣化したビールの香り(トランス-2-ノネナール」)に近いニオイだとされます。

これだけ聞くとそれほどイヤなニオイではないと思うかもしれません。ほとんどの場合、加齢臭に他のニオイも混じり合ってひどいニオイになっているのです。例えば、肥満の人が発するニオイは、腸内環境が悪いために発生するアセトアルデヒドが混ざり合ってひどいニオイになっています。

ノネナールは皮脂の酸化反応?

ノネラールは、酸化反応によって生成されるのですが、もう少し詳しく見ていきましょう。

皮膚表面は皮膚細胞を保護するために、適度な水分と皮脂が膜を作ったような状態になっています。さらに、外から入ってきたウイルスや花粉などは、活性酸素が強い酸化力で殺菌して無毒化させます。

一方、体内の温度を一定に保つために、暑いときは汗を掻いて、その汗が蒸発するときに奪う気化熱を使って体温を下げます。ところが、汗には体内にある老廃物や余った脂肪が酸化されてできた過酸化脂質が含まれています。しかも、湿度の高い夏は、汗がすぐに蒸発せず、うまく流れ落ちないとジメジメした状態になります。過酸化脂質の多い汗は、さらさらとしておらず、流れにくい汗になるので、長時間ジメジメした状態が続きます。

そして肌表面で活性酸素、過酸化脂質、パルミトレイン酸が揃うと、酸化反応が起きてノネラールが発生します。この過程には肌表面に存在する常在菌が関係しており、ジメジメした肌は菌にとってもよい環境なのです。

つまり、皮脂や過酸化脂質の過剰な分泌、常在菌の活動が活発な肌表面の環境、増加する活性酸素のどれかを抑制すれば、加齢臭は抑えることができるのです。

皮脂の多いところから匂いが発生しやすい?

皮脂が多いとパルミトレイン酸も多いことになりますから、ノネラールも相対的に多く発生します。皮脂の多く出るところは頭皮・首筋(うなじ)・鼻・前額・胸・背中です。

正中線と呼ばれるこのラインには、皮脂を分泌する皮脂腺が多く集っているところです。男性ホルモンの影響で、男性は特に分泌が活発です。それで加齢臭は中年のおじさんに特有のニオイという風なイメージがついたのかもしれません。

ただ、年代別の傾向を見ていくと、20代で分泌量が最大になり、その後は次第に減少していきます。加齢臭は40代からひどくなってくるのとは合致しませんが、これは基礎代謝が低下し、皮脂以外の要素である過酸化脂質が多く生成されることによります。

ですから、皮脂が年齢相応より多いから加齢臭がひどくなるとは簡単にいえません。むしろ、肌を守るためには、高齢になると皮脂を補給する必要があるくらいです。

特に加齢臭がひどいのは耳の後ろと頭皮、加えてうなじです。清潔にしていると思っても洗い残し易い部位であり、髪の毛に覆われて通気性が悪く、汗が流れにくい場所でもあります。特に女性は「うなじ」が魅力という男性も多い中で、気になる人も多いでしょう。そんな場所からなんともいえないニオイがしたら、せっかくの魅力も台無しです。

頭皮については、若い人でも薄毛を気にする人が増えてきて、清潔にしている人は多いと思いますが、洗いすぎて皮脂まで取り過ぎている場合が少なくありません。皮脂を取り過ぎると、それを補おうとしてさらに多くの皮脂を分泌してしまい、逆効果になってしまいます。シャンプーは頭皮にも優しいものを使い、ゴシゴシ傷をつけるような洗い方は避けましょう。

シャンプーが終わったら手早く乾かし、頭皮を湿ったままで置かないことも忘れないようにしましょう。洗髪は1日に1回で十分です。

うなじや耳の後ろは入浴時に丁寧に洗い、素早く乾かすことがポイントですが、日中に汗をよく掻く場所でもあるので、汗を掻いたら時間を置かずに拭き取ることを心がけると、加齢臭を抑えることができます。

皮脂の多い所はきれいに洗うことと汗を素早く拭き取るのが共通のポイントです。そのときは柔らかい布等を使うようにしましょう。

皮脂が多いと匂いの原因になる?

皮脂が多いと加齢臭の原因になることは否定できません。しかし、皮脂の多く出る人は食生活や生活習慣そのものに問題がある人も多く、その影響で活性酸素や過酸化脂質が多く生成され、加齢臭がひどくなります。

食事の内容では、多く肉を食べる習慣があると、腸内で発生したアセトアルデヒドが汗とともに排出されることでさらに体臭がひどくなります。これは若い人でも同じで、ミドル脂臭と呼ぶこともあります。また、活性酸素も多く発生するので、加齢臭も当然ひどくなります。

また、肥満体質の人は体内に脂肪をたくさん抱えてしまっているので、過酸化脂質の量も多く、汗も人より多く掻きます。これが原因で加齢臭がひどくなってしまうのです。

皮脂が多いから加齢臭を含めたニオイがひどくなるというのではなく、皮脂の多く出ている人は、その他の要因も多く分泌されているのでニオイがきつくなるというのが正解です。

まとめ

皮脂は肌を保護するために必要な成分です。皮脂が多いと確かに加齢臭などは多くなりますが、過度に気にしすぎて皮脂の分泌を抑えるようにすることは禁物です。皮脂の分泌があっても、それが洗い流されていくような体質であればニオイがひどくなることはありません。つまり、皮脂の対策よりも、きれいな汗を掻く対策をすることが有効な加齢臭対策になります。

きれいな汗とは、過酸化脂質が少ないさらっとした汗で、そのような汗は流れやすく、ノネラールを生成するのに関係している常在菌の繁殖を抑制します。汗をすぐ拭き取る(着替える)のも同じ効果が期待できます。

皮脂と活性酸素、過酸化脂質は関連しているので、活性酸素を出にくい体質にすることが大事です。活性酸素はストレスや急激な運動、肉食中心の食事など、様々な要因で発生します。これらの要因をなくしていくことで加齢臭を抑えることができます。

さらに、食生活を見直し、体内の余分な脂肪をためない対策として、脂肪をきちんと燃焼させる有酸素運動を取り入れたダイエットすることで、きれいな汗を掻くことができます。

きれいな汗を掻くと余分な皮脂も少なくなり、皮脂に混じって出てくる有害物質も減少して、加齢臭やアセトアルデヒドなどのニオイの元を減らすことができます。

加齢臭対策には、皮脂だけでなく、総合的な対策が欠かせません。

適度な皮脂を保ち、きれいな肌を維持しながら加齢臭も抑えて、生き生きした生活を楽しみましょう。