意外と知られていない冷房と体臭の関係

冷房は、今や暑い時期に欠かせないものとなっており、汗をかかずに済むため大いに重宝されています。しかし、その冷房が体臭の原因になるとも言われているのです。

体臭の要因である汗をかかせないはずの冷房で、なぜ体臭が起こるのでしょうか。ここでは、冷房とそれに伴う冷えによる体臭の関連性について述べていきたいと思います。

なぜ冷房をかけすぎると体臭が強くなるの?

冷房が効いた部屋は涼しく、汗がスッと引いて行くので、汗による体臭は起こりにくいかに見えます。しかし、その逆で体臭が悪化したと言う事例が寄せられているのです。

その事例について多汗症や体臭の診療に取り組んでいる五味常明先生は、『汗の原料は血液』と言うことから、汗による体臭が起こる理由について説明しておられます。汗腺は血液中から血球を取り除き、血しょうを汗にして排出しているので、そうして出された汗は濾過されているのでサラサラで臭いは少ないです。

しかし、エアコンなどの冷房機で汗腺機能が低下すると当然濾過機能も低下してしまい、血しょうの成分が残った、ベタベタで臭いの悪い汗が出ます。それこそが、冷房をかけ過ぎたことによる体臭の原因なのです。

こうして濾過機能が低下した状態でかいた汗は、それに含まれている諸成分―皮脂や濾過されなかったミネラルなどをエサにする雑菌が繁殖しやすくなってしまうため、臭う汗になってしまい、体臭が発生してしまいます。

冷房で押さえていた汗が実は臭い

冷房の効いた部屋では汗をあまりかかないので、体臭はきつくならないと言う認識を持ちがちです。しかし、それはややもすれば汗をかく機会が減ることとなるため、逆効果になる危険性があります。その理由は、以下の2通りです。

1.汗腺機能の衰え

私たちは体温調節のために発汗し、それによって体温は一定に保たれているわけですが、その汗を流すための汗腺は身体中に分布している器官です。されども汗腺の中には順調に機能していないものもあり、使わなくなったことで動きも悪くなってしまう汗腺もあります。

その一因が冷房のかけ過ぎによるもので、それによって汗腺機能が衰えてしまうと、必要な時に汗が出にくくなるのです。むろん、汗の再吸収もままならないようになってしまい、アンモニアやミネラルが含有された、臭いを作る汗が出てしまいます。

ミネラルは先述したように雑菌の増殖を促しますし、当然アンモニアは臭いを発生する物質です。そうして分泌された汗は悪臭になるまでのスピードが速く、それに伴って汗臭さも強化されると言う困った事態を招きます。

2.老廃物がたまりやすくなる

冷房のかけ過ぎで汗が流れなくなると、毛穴に皮脂や垢の古くなったものがたまってしまい、体臭の一因となります。こうした古い皮脂や垢も臭いを持つものですが、雑菌はこれらの成分を好んで増殖し、より多くの臭いを出す物質を作ってしまうのです。

それが冷房のかけ過ぎで汗腺機能が低下した状態でかいた汗と一緒に分泌されることにより、汗の臭さと体臭も悪化してしまいます。

この2通りの理由で生じてしまった体臭を防ぐには、体が本来持っている体温を調整する機能を活用することが必要になります。一番手っ取り早いのは冷房を使わないことですが、熱中症の危険性もありますし、寝苦しさなどの問題も起きてしまうので、設定温度を下げ過ぎないことが肝要と言えます。

他にも、腹巻や体を温める効果のある飲食物、ツボ押しによる血流改善、湯船につかって発汗させる、適度な運動によるウォーミングアップと、様々な方法があります。自分に合わせた無理のない方法で、汗と体臭の問題を解消していきましょう。

臭いと冷えは関係している?

体臭の原因のひとつに、冷え症があります。体が冷えてしまうと血流や内臓の機能が低下してしまい、体内で臭いが発生しやすい環境になります。こうした不調によって臭い成分は処理されにくくなり、体臭が発生してしまうのです。

特に怖いのは腸が冷えることで、善玉菌の働きが鈍化してしまい、それに伴って腸内環境も悪化しして異常発酵が起こり、ガスが発生しやすくなります。その冷えが原因で内臓は臭いを発する成分を処理できなくなり、体臭として臭いが出るのです。

以上の理由から、冷えは何としても防ぎたいものですが、暑い夏につきものである冷たいドリンクや冷房、薄着など些細なことから冷え症は発生します。その冷えを防ぐには、夏でもできるだけ常温の飲み物を飲んだり、冷房が強い場所では1枚多く羽織るのが有効です。

特に女性は、男性に比較しても筋肉量が少ない事から冷え症になりやすいと言われているので、体臭に悩んでいる女性にとっては、その原因である冷えが起こりやすい夏場は要注意すべき季節でもあります。

冷えで代謝が悪くなり体臭を発生させてる?

冷えが内臓の機能を低下させて、異常発酵や臭い成分の未処理状態を起こすのは先述しましたが、それだけではありません。冷え症は、汗腺機能や体の代謝機能までも低下させて、それから来る体臭までも併発させてしまうのです。

冷え症で汗をかくことが殆どない人は要注意で、汗腺機能が低下していればベタベタとした感触で悪臭を発する汗をかいてしまい、体臭になる危険性もあるのです。ここからは、その解決策を紹介していきますので、上手に汗をかいて体臭とお別れしましょう。

一番のおススメは、汗をじんわりとかくことができる半身浴で、しっかりと湯船につかって汗腺を回復させることができます。半身浴をしても、当初はなかなか汗が出ませんが、汗をかけるようになるまで毎日続けてみましょう。

また、ストレスも冷え症と体臭両方の原因であるため、ストレス解消に効果があるお風呂に入るのは、まさしく一石二鳥です。お風呂上りには、脱水状態を防ぐ意味でコップ一杯の水を飲むのが理想的です。足りなくなった水分を補給して血流を良くすれば、体臭を作る老廃物を排出しやすくなります。

汗を止めていると汗が濃くなり臭くなる?

臭くなる原因と言われて嫌われ者の汗ですが、本来は汗が気化した時の熱で体温を調節しているので、人体にとっては大事な機能です。しかし、現代日本では冷房機能が普及したうえに、汗をかくほど体を動かさないため、汗が止まっていることも良く見受けられます。

実は、それこそが体臭の原因なのです。汗を出す汗腺は、筋肉が使わないと衰えてしまうように、汗を抑えていると機能が低下します。血液中から血球を取り除いて濾過した血しょうを汗にするのは先述した通りですが、その汗腺機能が鈍化してしまった状態では濾過されない汗が出てしまうのです。

そうして濃くなってしまった汗は塩分やアンモニア、ミネラル、乳酸など様々な成分を含んだベトベトしたものになり、しかもそれを栄養にした菌によって出された老廃物が原因で、臭くなりやすくなります。また、そうした多くの老廃物の処理をする腎臓の負担にもつながるため、汗を止めているのは悪循環を招いてしまうのです。

汗を止めていることで濃い汗が出てしまい、体臭が出てしまうならば、本来かくべき汗をかける体質や環境を得ることが肝要です。その対処法としてはクーラーなどの冷房機能を使わないか、もしくは弱めにして体温を下げ過ぎないこと、そして汗を出しやすくすることがあげられます。

汗を出すのにはスポーツや軽い運動をはじめ、身体を動かして代謝を活性化させ、体を温めるのが効果的です。他には、10分以上の半身浴で汗をかくトレーニングをしたり、体そのものを温めてくれる生姜や紅茶などの飲食物を摂取、冷房をかけた部屋の中で寒さを感じないように上着を着るなど、体温を低下させない工夫は様々です。

まとめ

冷房の効いた空間は快適であり、高温多湿な日本の不快な夏を乗り切るのには、もはや欠かせないツールです。しかし、その裏では人体の体温調節をするはずの汗が出なくなったり、体が冷えてしまうなどして腸内や汗腺に起因する体臭の発生と言う事態を招いています。

こうした体臭は臭いだけでなく、体内の不調をも意味する現象であり、決して軽んじてはいけないものです。ここでは、冷房のかけ過ぎから来る体臭とそのメカニズムについて述べましたが、お手軽な対処法についても書かせていただきました。

特に、半身浴は汗を出しやすくするだけでなく、冷えてしまった腸が位置する下半身を温めることでもあり、ストレス解消にもつながるので、腸内環境やストレスから来る体臭も予防できるので、おススメです。